海外ニュースにこんな記事がありました。
The world’s happiest people have a beautifully simple way to tackle loneliness
(世界で一番幸せな人たちが、孤独感をなくすためにおこなっている驚くほどシンプルな方法)
デンマークの取り組みです。
日本にも似たような場は沢山ありますが、自助グループのような「病気や依存から回復する」ことを目的としたものがほとんどで、シンプルに「孤独感をなくす」ことを目的としたものは少ない気がします。
この取り組みは15-30歳を対象としていますが、引きこもりの高齢化が進んでいる日本では、もっと上の年齢にまで対象を広げても良いのかもしれません。
元の記事
以下ざっくり概要の訳です。
「世界で一番幸せな国」として名高いデンマークですが、同国の若者の10人に1人は孤独感を感じているとの調査結果が出ました。これは他国とほぼ同じ割合です。
この問題をなくそうとしているVentilenというボランティア団体は、現在国内36か所で、人とのつながりを求める若者(15-30歳)のための居場所を提供しています。
Ventilenが提供するのは「若者のための居場所、アクティビティ、そしてそのアクティビティを一緒におこなう仲間」のみ。拍子抜けするほどシンプルですが、1999年から始まったこの取り組みは徐々に広がりを見せ、今では政府の援助を受けて活動しています。また、国内の高校にVentilenのボランティアスタッフが出向き、勤務している教師に対し、若者が感じている孤独感について定期的にレクチャーをおこなっています。
活動当初はただ人が集まるだけで、誰も会話をしようとしませんでしたが、やがてゲーム、食事づくり、エクササイズといった活動を皆で一緒にするようになり、参加者の間で会話が広がるようになりました。特に、食事を一緒に作ると共通の目的ができるうえ、自然と会話が生まれるようになったのことです。
年間およそ700人が参加しています。参加者の割合は男女が約半々で、平均年齢20.9歳。Ventilenがとったアンケートによると、参加者の70%が「孤独感が減ったと感じる」と回答しています。また、参加者の74%が「自己肯定感が上がったと感じる」、64%が「ソーシャルスキルが上がったと実感している」、80%が「他の人ともつながりを広げたくなった」と答えています。
Ventilenは、依存症や精神疾患からの回復を目的とはしていません。精神疾患をもつ参加者が多くなりすぎると会の主旨からずれる恐れがあるので、初参加のメンバーは事前にボランティアスタッフの面談を受けます。また、「参加者の自活」を目的としているため、参加費は自費となっています。
参加者の一人、Kasper君はうつと不安で悩んでいて、高校生活でも孤立していました。ソーシャルスキルが不足している自覚はあったもののどうしたらよいか分からず、インターネット依存症になりましたが、SNSなどを見ると誰もが幸せそうに見える情報しかアップしないので、ますます気が滅入ったそうです。Ventilenで、「本当に良い友達を何人か作ることができた」とKasper君は話します。
学校に居場所があると感じられず、孤独感を強めている若者は沢山います。その若者たちに対して、「学校がすべてではない」「自分の居場所はちゃんとある」ということを伝えることが、彼らを孤独から救うために有効な方法です。